杉浦市議:
生徒からの目撃情報や他の教師からの指摘に、即座に対応できていなかったのは、他にも原因があったということへのこだわりがあったからではないか。見解を。
松田教育部長:
学校は生徒の人間関係や学校生活の様子など様々な背景を念頭に対応してきたが、その対応がどうだったのか、いじめ対策検討委員会で検証していきたい。
杉浦:
学校評価制度を気にしたことで報告が遅れ、対応に支障をきたしたのでは。いじめと真剣に向かい合う姿勢が学校にも教育委員会にも欠けていたのではないか。
教育部長:
学校評価制度は、学校運営の成果や課題を明らかにし改善を図る目的で実施している。今回の学校の対応が学校評価制度により左右されたということはない。
杉浦:
学校、教育委員会それぞれ、どのような手順で検証を進めていく予定か。スケジュールも含めてうかがう。
教育部長:
8月29日、教育委員会内にいじめ対策検討委員会を立ち上げた。対応の検証を踏まえ、いじめ防止のための具体的な手立ての検討など、対策を講じながら、いじめ対策の改善策について来年1月を目途にまとめたい。
当該中学校では、夏期休業中に関係者会議や教職員研修を実施。今後は校内に設置したいじめ対策委員会を中心に、いじめを許さない学校づくりを進めていきたい。
杉浦:
市長が設置した「第三者調査委員会」では、何を明らかにしようとしているのか。調査結果をどう生かしていくつもりか、見解を。
北村総務部長:
学校で何が起きたのかを明らかにし自殺の原因について考察する。また学校の対応について明らかにし、学校・教育委員会の自殺後の対応が適切であったかを考察。再発防止に関する提言を含む報告をいただき、必要な措置を講じるよう努める。
杉浦:
当該中学校は、平成21、22年度と文部科学省の道徳教育実践研究事業の推進校だったが、深刻ないじめが起きた。規範意識の強調だけでは解決しないことを示しているのではないか。見解を。
教育部長:
規範意識の向上は大切。それだけでなく、より良い生き方について考え、実践していく力を身につけられる道徳教育の推進を図っていきたい。
杉浦:
いじめる側、される側、それぞれの悩みを共感的に受け止め、子どもの心をねじれさせている環境の改善を図る対応が必要と考えるが、見解を。
教育部長:
子どもの思いに寄り添いながら、学年や学校全体の教員が情報を共有し、指導や支援をおこなうことが重要。また関係機関や地域・保護者の協力も得て課題の解決にあたる必要があると考える。
杉浦:
子どもの心を理解することは簡単ではない。教員が子どもと向き合う時間を確保するために何が必要と考えるか。
教育部長:
公務の見直しや指導体制の工夫で子どもと向き合う時間をつくり出してきた。教育委員会も公務縮減、支援員の配置に努めてきた。今後とも努力していきたい。
杉浦:
「いじめ」に対する子どもたちの自主的な討論や取り組みが重要であり、子どもの権利の観点から位置づけるべきと考えるが、見解を。
教育部長:
自らの思いを伝え合い、児童生徒の意思決定から生まれたいじめを許さないための活動は大変価値のある活動である。
互いに認め合いながら考える力を育てる学び合いを重点に、意見を伝えられる子どもの育成に努めていきたい。
杉浦:
今もいじめに悩む子どもたちがいる。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの増員、常時配置を早急におこなうべき。見解を。
教育部長:
スクールカウンセラーは中学校へは県から、小学校へは市から派遣している。今年度から4校に対し専門職を定期的に派遣するスクールサポート事業を実施。国・県に要望し早急な体制整備に努めていきたい。
杉浦:
今回の災害対応で、指揮、情報対応、連絡などが円滑に遂行できていたか。人的な体制への評価は。
総務部長:
今後見直していくべき点として、初期段階での情報収集、情報伝達の役割分担、また現場で対応にあたる職員の動員計画あらかじめ作成しておくことが必要と考える。
杉浦:
今後の教訓として、避難のタイミングを判断する体制や情報把握のあり方についてどう考えるか。
総務部長:
滋賀県土木防災情報システム、彦根地方気象台からの情報に加え、消防・市職員が現場で収集した情報をもとに判断し、避難情報の発令をする。
杉浦:
地域の危険化を放置したり、生活の現場からの避難を最優先にした防災対策は真の防災対策とは言えないのではないか。見解を。
総務部長:
避難はあらゆる災害や危険から命を守ることであり、避難を最優先とした防災対策は適切である。
杉浦:
地域防災計画は国の計画を基準に作成されているが、国の計画は災害を未然に防止するという考え方はない。未然防止の対策を総合的に進めていくことが必要ではないか。見解を。
総務部長:
治山、治水対策やライフライン施設の強化など、現在の地域防災計画の中の予防計画に明記されている。今後も計画に基づき対策を進めていきたい。
杉浦:
自己責任論では、防災に脆弱な地域社会を改善することはできない。「自助・共助」の強調で行政の役割を後退させてはならない。見解を。
総務部長:
それぞれの役割を果たすことが災害に強いまちづくりには必要不可欠。市としての責務を果たしていく。